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Enter the Void

今までに何度か映画のエキストラの仕事をした事がある。一つは津波の被害にあった人で泥の中を一日中行ったりきたりを繰り返した。やはりエキストラでも自分でやった事は気になるので、テレビでその映画を放映した時に見たら、ちゃんと映ってた。。ただ私以外の人には分からないと思うけど(笑)。モントリオールではハリウッドの映画の撮影をわりと頻繁にやってたりするんだけど、残念な事にエキストラは目立ってはいけないから、アジア人だからって事で雇用されない事もある。


偶然craigslistっていうサイトを見てたら日本人のエキストラを探してたので応募したら、写真を撮るから来いと言われ、そこで登録もした。そしたらある日会社に電話がかかってきて、看護士のエキストラを探しててビデオで撮ってプロデューサーに見せるから来られるかと訊かれた。早速仕事が終わった後にその事務所に行ったんだけど、普通はエキストラはビデオの撮影までしないからちょっと変な気分だった。一応カメラの前で自己紹介をした。そしたらキャスティングの人が「多分あなたに決まると思う」と言った。

それから2、3日したら私に決まったと連絡が来た。何はともあれ嬉しかった。

それである日曜日に撮影が病院であったんだけど、ビックリした事にエキストラはたったの3人なうえに、ちゃんとした俳優は一人だけだった。監督を紹介されたんだけどその監督はart house の映画のファンなら皆知っているGaspar Noéって人だった。で私の役は看護士で、赤ちゃんが生まれてくるのを受けとめる(って言うのかな?) ものだった。実際の看護士の人もいたのに何故私になったかというと、私が日本人だったからというそれだけの理由だった。私はといえば他のエキストラの人が本当の看護士なら、人種は何でもその人がやればいいのになー。。って感じだった。

それでまずコスチュームを貰ったんだけど、それは白衣(というかピンクか黄色だった気がする)と帽子(?) とマスクってもので、これだったらビデオでわざわざ撮って決める必要はなかったのにーと思った(だって目の他は何も見えない!)。

で撮影になったんだけど、一応赤ちゃんが母親の体から出てくるのを想定して、分厚い二枚の肉が棒にかかったものが女性のあそこの替りになった(笑)。余りに重いので男の人が二人がかりで運ばないといけない程だった。でそこをカメラが赤ちゃんに例えられて通って、私がそのカメラを受けとめる。で私がカメラを監督にあげると監督がそれで母親役の俳優を撮影するって手順だった。

ただ、私は赤ちゃんの出生を手伝った事なんてないから、どうも監督が思うように出来てないみたいだった。でも何度もその場面をやって、私としては監督が満足したかどうか不安なままで撮影が終わった。もともとそのシーンは日本で撮ったものを撮り直したんで、私にはまた監督が不満で撮り直しも有りえるなあ。。とか思ってた。

そうこうするうちに、今度は別の日に飛行機内の撮影があって、それは数十人の日本人がエキストラをやった。それはほとんど待ち時間だったのと、スタジオが離れてたから皆ワイワイやっても平気で楽しかった。

今回は小人数のエキストラの一人だった事もあって、普通の俳優と同じ額を払ってもらえたのが嬉しかった。おまけに名前の知られてる監督のエキストラをするのは初めてだったんでこれもちょっと嬉しかった。

この映画はEnter the Void (エンター・ザ・ボイド)っていうんだけど、カンヌでも上映され、去年地元の映画祭でも上映された。ただ私は見る機会がなくてずっと見られなかった。ずーっと気になってたのは私がやったシーンが新たに撮り直されたかどうかだった(笑)。

先週偶然ケーブルの映画のチャンネルをチェックしてたらEnter the Void がやってたので初めて見た。第一印象は「目がチカチカするー!!」だった(笑)。でもって肝心のシーンなんだけど。。。監督は私がやったのを使ってた! ただ、そのシーンは思いっきりぼかされてて、誰がやっても変わらなくなってた(爆笑)!!! やっぱり監督は余り満足してなかったのかなあ。。とか思った。でもでもこれだけ有名な映画に(それもとても重要な場面)私のやった事が(私以外の人には分からないとしても)映ってるってのは凄い事だと思う。せめて私だと分かったらもっと良かったんだけど。そんな訳でここに書いて、あれは私なんだよー!!!と知らせたいと思う(笑)。

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